SDGsと日本の動き

SDGsとは?

SDGs(エスディージーズ)は Sustainable Development Goals の略で「持続可能な開発目標」のことです。
これは2015年の国連総会で採択されたもので、以下の17のグローバル目標からなります。

国連に加盟するすべての国(193か国)の全会一致で採択され、2030年までに貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を達成すべく力を尽くすことが求められています。

日本政府の動き

SDGsの採択を受けて、日本では2016年に内閣に「SDGs推進本部」が設置されました。
安倍総理を本部長とし、全官僚が構成員となっています。
SDGs推進本部が策定した日本の「SDGs実施指針」には、8つの優先課題が挙げられています。

【日本のSDGsにおける優先課題】(12月22日改定)

1.あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
2.健康・長寿の達成
3.成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
4.持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
5.省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
6.生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
7.平和と安全・安心社会の実現
8.SDGs実施推進の体制と手段
この「SDGs実施指針」は2019年12月22日に、3年ぶりに改定され、優先課題に「ジェンダーの平等」「防災」という言葉が明記されるようになりました。

日本のSDGsモデルの大きな3つの柱

さらに、日本のSDGsモデルの大きな3つの柱として、

1.ビジネスとイノベーション
2.地方創生
3.次世代・女性のエンパワーメント

を掲げ、SDGsモデルを推進していくとしています。

これら優先課題やSDGsモデルをもとに多くの施策が実施され、2020年度当初予算と2019年度補正予算で総額1.7兆円の予算が付けれています。

日本の企業の動き

日本でのSDGsの知名度は高いとはまだまだ言えませんが、大手企業や自治体をはじめとしてSDGsへの取り組みが拡大しているのは確かです。
大手企業のWebサイトや統合レポートでは、SDGsの取り組みについてを目にするようになりましたし、最近24時間営業をめぐって話題になったセブンイレブンの社長交代の記者会見では、役員が2人ともSDGsバッチを身に着けていたのが印象的でした。メディアをはじめ街中でもビジネスマンの胸元に17色のバッチを見る機会が増えてきています。
このことからも、SDGsが大手企業の方針、ブランドを発信する上でのマスト事項となってきているのは明らかです。
ビジネスシーンに限らず、ファッション雑誌や大学の学祭のポスターなどでもSDGsが取り上げられているのを目にします。私たちの生活の中にも、すこしずつSDGsが広がりつつあるようです。

日本のSDGs達成度

 

日本で目にする機会が増えてきたSDGsですが、2019年6月に発表された世界のSDGs達成度ランキングでは、日本は162か国中15位という結果でした。これは2018年と同じ順位です。
世界のSDGs達成度をもとに、日本にとって最大の課題だと指摘されている目標は、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」です。

2019年12月に改訂された日本の「SDGs実施指針」の優先課題に「ジェンダー平等」が明記されたのは、現状のSDGs達成度を踏まえたものだといえます。

まとめ

SDGsは2030年に達成されることを目標としたものです。残りの10年、世界中で、そして日本国内で、SDGs達成に向けた取り組みは加速していくと考えられます。
日本政府の動きを見ても、企業のSDGsに関する取り組みが今後さらに求められていくことは必須であることから、パートナシップを意識して取り組みを広げていくことが今後のビジネスチャンスへと繋がっていくでしょう。
大切なのは言葉だけでなく行動すること。ただのアピールや広報活動で終わることなく、目標の達成に向けた組織の革新的進化が問われています。