SDGsって何のこと?SDGsができるまで

みなさん、このカラフルな17色のロゴ・アイコンを見たことがありますか?
最近は学校の授業や、ファッション雑誌などでも取り上げられるようになってきました。これは2015年に国連で採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)「持続可能な開発目標」の17個の目標を現したロゴ・アイコンです。SDGsはエスディージーズと読みます。
SDGsは、持続可能な社会を実現するため、2030年までに達成すべき目標の集合体で、飢餓、福祉、平等、エネルギー、気候変動、海洋汚染などの多様な社会課題が集約されています。
国連に加盟するすべての国(193か国)の全会一致で採択されました。

持続可能性とは?

最近は、企業の広告から、雑誌、ニュース、商品、そしてアイドルの歌にまで!サステナブル(持続可能性)という言葉をよく耳にするようになりました。SDGsの”S”もSustainable (持続可能性)を意味しています。今、世界中で、持続可能な社会を実現するための取り組みが活発化しているのです。

ではなぜ、「持続可能」という言葉がこんなにも世界で重要視されるようになったのでしょうか。

1972年、マサチューセッツ工科大学の国際チームによりまとめられた研究「成長の限界」が発表されました。

その内容は、「地球資源を大量に消費し拡大する現在の経済成長がこのまま続けば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」といったものでした。「成長の限界」は、現状のままで経済成長を続けると、人口、食糧、資源、汚染などの面で人類社会は今後100年以内に制御不能な危機に陥る可能性があると定量的な推計データに基づき警告していました。

そのころ、日本国内では1960年代後半に水俣病や四日市ぜんそくといった四大公害が発生し、高度経済成長による環境汚染、健康被害が拡大しました。その後、世界ではアジア・アフリカ地域で公害問題、児童労働、強制労働といった人権問題が指摘されます。グローバル化が進むに連れて、グローバル化の負の側面(多国籍テロリズム、薬物密輸、世界規模の流行病)も目立ちはじめ、多くの社会課題が生まれました。

SDGsの前進となるMDGs


外務省公開資料「MDGsの成果と課題」より世界の経済成長とグローバル化によって生まれた社会課題を解決するための取り組みとして、2009年9月に、ミレニアム開発目標(MDGs)が国連ミレニアムサミットでまとめられました。
MDGsは、貧困撲滅への取り組みを中心に掲げられた8つ目標で、全国連加盟国と23の国際機関が、2015年までに達成することに合意しています。

世界は2000~2015年の期間に貧困撲滅に向け急速な進展を見せ、MDGsに対する取り組みは一定の成果が認められました。一方で、妊産婦の死亡率など、2015年までに達成できなかった目標や地域ごとのばらつきなど、課題も残されました。

MDGs期間を終え、2015年に新たに国連総会で採択されたのが、SDGs(持続可能な開発目標)です。

MDGsとSDGsの違い

MDGsとSDGsの大きな違いは、SDGsの目標7~12にあると思います。
そこにはMDGsになかった、エネルギー、働きがい、技術革新、まちづくり、生産・消費、といった目標が並んでいます。
MDGsは貧困撲滅を中心とした、途上国の問題解決を目的としていたのに対し、SDGsは途上国だけでなく、先進国や新興国を含むグローバルな課題を総合的に解決に導くことを目的にしています。もちろん日本国内での社会課題も例外ではありません。
SDGsは原則として、先進国を含めすべての国が目標を達成するために行動することとしています。

まとめ

「成長の限界」が発表されてから約40年。近年では、地球温暖化による災害の多発により、人々の安全な生活が危ぶまれる事態が起こり、人命も含め大きな被害が出ています。
「成長の限界」が発表された当時は、この研究結果に対し多くの批判の声があったそうですが、どれほどの人が、現在のこれだけの地球環境の変化と人類への被害を予測できていたのでしょうか。
SDGsと同年、2015年に採択された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を2度未満に保ちつつ、1.5度に抑える努力を追求することが、世界の目標として定められました。
世界の平均気温は産業革命前よりもすでに1度上昇しており、この先気温上昇が続くと異常気象による被害がさらに深刻化していくことが懸念されます。
もうすでに回避できないリスクが迫りくる中で、今、私たちに何ができるのでしょうか。
世界が持続可能な社会の形成に向けて急速に動き出しています。