【DX連載/第2回】環境分野でも避けては通れない? DX(デジタルトランスフォーメーション)が必要な理由とは

DX連載の第1回では、DXとは?の基本的な部分について解説しました。
第2回の今回は、なぜ今、DXの必要性が叫ばれているか、DXが求められている理由をみていきます。

理由その1:デジタルネイティブ企業の出現と日本企業の課題

2000年代には、AmazonやGoogleなどの、ITやデジタル技術の利用を前提とした、モノ(資本)を持たずに事業展開を行う「デジタルネイティブ企業」が次々と日本に進出してきました。
こういった企業は、市場やニーズの変化に応じて、提供価値の見直しや積極的なリスクテイクなどが柔軟にできるとされています。
ニーズに応じた柔軟な発想とデジタル技術の活用によって、既存の業界や業種にとわられない事業展開を次々とおこなっています。

例えば、IT機器会社であるApple社がApple Watchを発表し、腕時計業界に参入したことで、業界でのスマートウォッチ市場が大幅に拡大し、市場シェア1位を独走しています。
他にも、インターネット事業から始まったDMMは、金融や農業、インフラ、地方創生といった分野まで年々事業を拡大しており、業種・業界の枠を超えて現在では60以上の事業を展開しています。
これまでにないビジネスモデルを展開して、競争のルールそのものを変える企業が、既存産業にとって脅威になってきているのです。

これに対し、日本の既存産業はどうでしょうか。
企業として資本(ヒト・モノ)を保有している点で、当然その分のコストを抱えています。また、これまでの伝統や歴史、長く続けてきた既存事業があり、この形態が一般化しているでしょう。
もちろんそれが悪いと言っているわけではありませんが、変化の激しい現代においては、既存事業やこれまでの体制を柔軟に変えていくことを困難にさせている部分でもあるといえます。
その要因として、自社の業務フローに沿って基幹システムを独自に構築しているケースが多く、システムの刷新や最新ツール導入における障壁、IT人材の不足など、様々な課題が見えています。

理由その2:経済産業省が発表した「DXレポート」

DXの必要性については、経済産業省からも「DXレポート」が発表されています。
このレポートの中では、DXを成功させなければ国としても大きな経済的損失を生むことになるとして、DXの必要性と、前項でも述べた越えなければならないITに関する課題がまとめられています。
課題だけではなく、DXの実現のための押さえるべきポイントや実行プロセスなどについても記載されていますので、是非一度ご覧ください。

参考:経済産業省 DXレポート~ITシステム「2025年の壁」克服とDXの本格的な展開~
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

このDXレポートについては、また別のコラムで詳しく解説したいと思います。

理由その3:コロナ禍によるニューノーマルの考え

2020年の新型コロナウィルスの感染拡大も、DX推進を加速する要因の一つとなりました。
出社したり、顧客に訪問したりと、人が会ったり集まることが前提であったビジネスモデル・働き方が根本から見直され、否応なしにデジタル化や遠隔対応可能な体制を取る必要が出てきました。

しかし、やってみると意外にも不都合が無かったり、これまでやってきたことにもムダが見えてきたりと、コロナが終息しても、特にビジネスの面ではコロナ前の状態に戻ることはまず無いと言っていいでしょう。

企業を取り巻く環境が急激に変化し、働き方も含めてこれまでの慣例の見直しや企業文化の変革への取組みが求められています。
企業として取り組むべき課題の一つに、DXを掲げている企業も多いのではないでしょうか。

まとめ

技術の進歩と変化の激しい現代では、その変化に対応しながらニーズをつかみ柔軟に変革できる体制をとっていく必要があります。
そのためにはDXの推進が不可欠です。

DXによって競合他社の考え方も変わり、業種や業界を超えた事業展開が当たり前になっています。
企業の規模も関係なく、「対策をとらなくても大丈夫!」という業界などないと思います。

とはいえ、DXを進めるにあたっての課題は多く、なかなか取り組みが進んでいないのも現状です。

次回は、DX推進における課題と、環境分野とのかかわりについてご紹介します。