新しい組織運営へ大改革の歴史 後編|幻想を実存へ。新しいスタイル導入!|かつこさんインタビュー

こんにちは!CSR担当の丸山です。

Green propの新しい自律分散型組織運営の様子をお伝えする、赤裸々日記!
そもそもなぜ新しい自律分散型の組織運営スタイルを導入することになったのか、その背景をぐーんと深掘りすべく、当社代表の川添 克子(通称:かつこさん)にインタビューしました!

前回は、前編として、Green propの組織運営のテーマ『自走』に奮闘した過去をお伝えしました。
今回はその後編、実際に新しい組織運営スタイル導入に至るまでの旅路を振り返っていきます!

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幻想…失恋…今までのやり方が合わなくなってきている!?

− 前回、2019年3月に起きた火災事故の際、何も指示がなくとも自分たちで考えて、自分ができる役割をしっかりと全うしている姿があった。でも、幻想かもしれないと感じたとお話しいただきました。なぜ「幻想」と感じたのでしょうか?

前回もお話ししたように、2019年3月4日に起きた火災事故の際に目にした社員の姿に感動しました。
警察や消防などの対応に追われている中で、私の指示がなくても、一人一人が「自分は何をしないといけないのか」考えて、行動している。
みんなも心身共に疲弊していたと思うけど、やるべきことをやってスッキリとした表情でイキイキしているとも感じたんです。
「これがGreen propの底力。強い組織になる。」と実感した瞬間でした。

火災から約半年後には本社を博多に移転し、新たなスタートを切ることができた。
自走できるみんなと、新しい拠点でまたやっていけることにすごくワクワクして、期待と希望に燃えていたんです。

でも、いざ日常に戻ると、全てが以前の姿に戻りました
業務のやり方も会議の中身も以前とまーーったく同じ。みんなで年間計画を立てたのに、実行しないことがあったりもしました。
以前と同じで自発的な動きがなくなったんです。

「なんで急にやらなくなるの?出し惜しみしてるの?」と、失望とか失恋に近い感覚を味わいました笑。
この現象が「幻想」とも感じたんですよね。

 

− 失恋ですか笑。想っていた人からフラれたら落ち込みますよね…

そう、めちゃくちゃ落ち込んだ!笑。
大変な事態も一緒に乗り越えてきたみんなだからこそ、私のみんなに対する想いも大きくてね。
これまでも長い間「自走」を掲げて本気でやってきたし、その想いも強かった。でもフラれて笑。
理想と現実のギャップにまた悶々としてました。

そんな時に社史「Green prop History Book」の制作がスタートしました。
これも前回お話ししましたが、制作することで自分の気持ちの整理がついたんです。やっぱり、私は「Green propはみんなの会社」「自走できる会社に」という想いが間違いないと確信できた。

History Bookが完成したのと同じ頃、長年取り組んできた新しい人事制度も完成しました。
実は火災事故の日に、リーダーたちで人事制度について会議していたんですよね。約2年という時間をかけて作った人事制度でした。

この制度も、いかに一人ひとりが自分の役割に対して自発的・能動的に課題を見つけて、課題解決に向かうことで社会で活躍できる人財になれるか、「未来創造型人財」と銘打って、重視するスキルや教育、評価など各項目を設計しました。
我ながら、このポリシーを体系化した良いシステムができたと思います。これでまた、自走できる会社に一歩近づけると思ったんです。

…これも、時効だと思って話します笑。
みんなでたくさん議論して作った制度なのに、素晴らしいものができたと思ったのに、やらない人が出てきたんです!笑。
これもまたフラれた時と同じように、いや、それ以上に落ち込みました笑。
ちょうど、新型コロナウイルス感染症の国内蔓延もあり、社会の変化を感じていた時です。

でも、この時、今までの経営のやり方が合わなくなってきているのではと感じました。

「今までのやり方はこれからの時代、もっと合わなくなるのではないか……」
「社会の変化、今の社会の一員であるみんなとの調和のやり方。火災前に作り上げてきたものは火災後は合わなくなってきている?」
「今までの常識を変えていかないといけない。これからの経営の在り方はどうすべきか……」
そんなことを悩みに悩むようになりました。

経営の在り方をどうしていくべきか…悩んでいく中で、もう一度、フラれた時の現象を考えてみました。
よくよく考えてみると、組織運営の仕組みは変わってない
経営層がいて、リーダーがいて、計画があって、その動きを会議で報告して、改善して…
ピラミッド型組織であることは何も変わってないんです
だったら運営もそうなりますよね。この仕組みが変わっていないことが要因の一つではないかと感じたんです。

 

『組織運営』学び直しの旅が始まる

− 「組織運営の仕組み」そこに着目されたんですね。そこからは研究熱心のかつこさんらしく、新しい形を求めて邁進されたとか…

自分で言うのもなんですが、私は真面目で猪突猛進型笑。そこから「学び直しの旅」がスタートしました。
その旅路は長かったね。本を読んだり、研修に行ったり、会社を訪問してお話を伺ったり…いろんな角度から「いい」と言われるものは片っ端から経験していきました。

その中で、転機となったのは、自分自身の『内観』です。
今までの自分を見つめ直し、これからの自分がどうありたいのか、自分自身の観察を進めました。
その過程で気づいたのは、個人としての川添克子と、Green propの代表としての川添克子が一体となりすぎていることでした。
この癒着が激しいことが、社員のみんなに対しても「こうあるべき」という考え方になっていたのではと反省しました。
内観を進めると、だんだん自分を客観的に見れるようになって、「みんなの会社にする」というミッションを、私は実現できると整理がついて、いろんな考え方が入ってくるようになったんです。

そうして研究を進めていく中で出会ったのが、今回導入した自律分散型の組織運営の考え方でした。

 

− 組織運営の形はたくさんあり、いろんな形を学ばれたと思います。学び直しで大切にされていたことはありますか?

学び直しの旅は、実は一人ではなく、スタッフと一緒に進めていました。
お互いに理想の会社像を共有して、一緒にいろんな本を読んだりしましたし、自律分散型の組織運営スタイルに出会った時も一緒に学び、実際にすでに導入されている会社に見学に行ったりもしました。
そうやって、自分の目だけでなく、スタッフが抱くイメージと合致するかも大切にしていました

もうひとつ、大切にしていたのは「火災の時の自走できている状態」です。
新しい仕組みを入れることで、あの時の姿ができる環境になるか。これとも合致するかも大切にしていました。この時の姿が、やっぱり私にとっての「答え」なんですよね。

そうして答え合わせをした結果、「これだ!」と思ったのが自律分散型の組織運営スタイルだったんです。

階層がないフラットな関係性
誰でも意志決定ができる仕組み
運営に関することも会計に関することも全てオープンにする情報公開
事業経費についての意志決定をみんなができる仕組みなど…

みんなが経営感覚を持って実運用をしていくこの仕組みは、今までの概念とはまったく異なります。
でも、「ここまで大きく変えると自律分散は実現できる」「これは理想の会社に繋がる」と感じました。

 

これまでを手放し覚悟を決め、自律分散型の組織運営へ

− 今までも、いろんな仕組みや考え方を導入してきたと思います。過去の試行錯誤してきたものと今回の組織運営スタイルの導入はどんな違いがあると感じていますか?

一番の決め手は、あらゆる判断を全部自分たちでできること。
これができるんだったら、絶対自走になると思いました。

あと、すでにこの仕組みを導入している人と実際にお会いしたり、映像を見たりして、スタッフの皆さんが「仕事を楽しんで、生き生きしているな!」と感じたことも後押しになりました。
社員がこんな姿になったら…!とワクワクしたんですよね。

 

− 事業に関することは自分たちで決める、これは本当に大きな特徴ですよね。でも、同時に経営者として今まで歩んでこられたことなど、いろんなことを手放す必要があったと思います。これについて、葛藤はありましたか?

この仕組みに変えると、役職がなくなったり、事業経費というお財布を社員に任せたり、ということは決裁もなくなるので権限を委譲することにもなります。
あと、給与をOPENにするので「ざわつきが起きるかな〜、大丈夫かな〜」とかは少し心配した。
今までと全く違うスタイルになるので、正直、社員の中で戸惑いは起きるかなとは感じていました。

でも、何がなんでも乗り越えられるという自信はあった
やっぱりね、火災の時のみんなの姿を見ちゃってるから、その絶大なる信頼と実績があるから、大きな葛藤はなかったです。
私としては、「みんなが自走して、みんなで経営する」という目指す組織に本当にしたかったから、「これでずっと悩んできてモヤモヤしていたものから解放される!導入!!」って覚悟も決断もできました。

 

− 最後に、実際に導入してみて、今の率直な感想を聞かせてください!

率直な感想は、「導入して良かった!」です。もう、以前の形には戻れないですね!

私自身も、自分のやりたいことに集中できる環境ができつつあります。
経営者としてだと、守備範囲が広い。でも、その中には苦手な分野ももちろんあります。
そこからものすごく解放されたし、自分の人生も豊かになっていくんではないかと思います。

スタッフのみんなの変化も肌で感じています。
自分の得意分野だったりやりたいことに集中して取り組んでいる姿、
良い成果を求めてチームの課題解決に積極的に取り組むスタッフ、
今までの当たり前に疑問を持ち変えていく意志表示、
などなど、その変化は著しいです。これは健全に機能していくなと感じています。

それでも、まだまだ課題はあります。
事業の経営はバランスが必要です。私たちはありがたいことに安定した売り上げを上げることができていますが、時代の変化は著しい。
今の事業だけでなく、未来志向で事業をデザインしてアクションを起こしていくことも大切です。この動きがあるからこそ、Green propも社会もサスティナブルに近づいていきます。

自律分散型の組織運営には、いろんなことに挑戦できる環境があります。「挑戦」することも、自分自身で決断していく必要があるんですよね。
とことん自分に向き合って、自分のやりたいことに集中していいと思うんです。だって、その方が得意分野が活かされて、楽しく成果を上げられるから。
「やらなければならないからやっている」と「やりたいことをやる」では、成果も変わってくると思うんです。

自分たちで社会課題につながる商品・サービスを作って世の中に出してみて、
社会に役に立つものであれば、売上が上がる。売上は追うものではなく結果なんです。
そうやって、自分たちで作った商品・サービスを自信を持って売って、社会に必要とされるGreen propであり続けること
これを大切にしていきたいですね。

 

かつこさん、ありがとうございました!
次回の赤裸々日記もお楽しみに!