防災・減災に備えるエネルギーモデル

新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

2020年といえば五輪イヤーですね。(五輪のことはまた別の機会で触れさせて頂きたいと思います)

今回は昨年各地で猛威を振るった暴風雨などの災害とエネルギーの関係について触れたいと思います。

 

災害が続く日本

2019年は8月の九州北部豪雨、9月の台風15号、10月の台風19号といった異常気象が各地で発生し、甚大な被害を及ぼしました。被災者の皆様には改めてお見舞い申し上げます。

また、地震も2018年の大阪府北部(最大震度6弱)、北海道胆振東部(最大震度7)に続き、

2019年も熊本県熊本地方、北海道胆振中東部、宮﨑県日向灘、千葉県南部、山形県沖、福島県沖など、各地で震度5弱~6強の強い揺れを観測しました。

これらの災害の際には多くの世帯で停電が発生し、特に台風15号などではそれが長期に及んだ地域も有り、大きく報道されました。

 

電気自動車(EV)と再エネの連携

そのような中で改めて注目を集めているのが再エネと蓄電池です。

家庭分野において注目を集めているのは電気自動車の活用です。

電気自動車車両の車載電池が蓄えた電気を家庭給電に使用する仕組みもEVメーカーのCM等を通じて大きく訴求されているのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。

この場合、V2H(Vehicle to Home)と呼ばれる機器を導入することで、家庭に設置した太陽光から電気自動車に充電したり、停電時等に電気自動車の車載電池から家庭に給電可能となります。

この機器も近年は値段が下がってきており、機種によっては50万円を切る価格(工事費等は除く/機器代金のみ)ラインナップも用意されているようです。

資源エネルギー庁でも家庭分野における余剰電力の固定価格買取制度終了後の再エネの自家利用拡大において期待をしていることが記されています。

(更なる再エネ拡大を実現するためのエネルギー需給革新の推進 ~需給一体型モデルの活用~ 2019年7月5日資源エネルギー庁公開資料)

 

防災と再エネ・蓄エネ

上に述べた電気自動車の利用は家庭分野を中心に拡大が期待されていますが、事業者においてもBCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)の観点からも防災面等での再エネの利用は注目を集めています。かつての再エネ≒太陽光導入≒売電という考え方もFIT価格の下落と調達電力料金とのバランスから自家利用型にシフトしてきており、それと共に非常時の電源としての蓄電池にも注目が集まっています。

(環境省 令和2年度重点政策集より)

環境省でも地域防災・減災と再エネの導入両立を図る公共施設、民間施設に対する助成事業を平成30年度補正から実施しています。(但し、地域防災計画または地方公共団体との協定により災害時に避難施設等に位置付けられた公共・民間施設が対象となります。協議中のものも申請可能となる場合あり)この事業は令和2年度でも実施される予定です。

災害はいつやってくるか分からないものではありますが、これらの対策は災害時の備えと共に設備の運用次第では日常のエネルギーコスト低減を図ることも期待されます。

この機会にご家庭や自社の防災と再エネの関係について検討をされてみては如何でしょうか?

 

執筆者:冨永(株式会社ATGREEN)

 

※本執筆内容は、執筆当時の公開情報等に基づき作成をしたものです。各省庁の補助金等の情報は予算の審議状況等により、内容に変更が生じる可能性が御座います。

ご利用される方が不利益等を被る事態が生じた場合にも一切の責任を負いかねますのでご了承下さい。