【連載】レジ袋有料化と容器包装を巡る外部環境(第2回)~国内の自治体、民間企業の取り組み~

前回の第1回では日本国内のレジ袋有料化の概要と対象となる事業者やレジ袋についてご紹介しました。今回は国内の自治体や民間企業によるレジ袋削減の取り組み事例をご紹介します。

自治体の取り組み

環境省が昨年実施した調査では、19の都道府県でレジ袋有料化の取組を県全体で協定または登録方式により推進していると報告されています。その中でも富山県の歴史は古く2008年より消費者団体、事業者、行政が協定を締結してレジ袋有料化を実施しています。県内432店舗(48事業者)が賛同し、マイバック持参率は2017年で95%まで達成しているとのことです。

都市部については近年になって神奈川県や大阪府などでプラスチックごみゼロ宣言が発表されました。地域別で見るとレジ袋削減の取り組みは地方部の方が進んでいる傾向があります。

民間企業の取り組み

事業体毎に見ると下図のようにスーパーマーケット、生協、ドラックストアにおいて取り組みが進んでいます。

先進的な事例としては衣料品販売のH&Mジャパン(※1)は2018年12月よりプラスチック製買い物袋を紙製に変更したうえで有料化しています。紙製袋はすべてSC認証または100%再生紙を利用しており、価格は1枚20円です(最小サイズを除く)。

また、流通大手のイオン(※2)は2007年に全国チェーンとして初めてレジ袋無料配布中止を開始しており、2019年2月時点の実施店舗数は1,701店舗(2019年2月28日現在 連結対象29社)に拡大。レジ袋辞退率は65.6%(2018年)を達成しています。リサイクルプラスチックやバイオマス配合プラスチックを使用したマイバック、マイバスケットの使用も推進しています。

図:都道府県が把握している管区内の小売事業者のレジ袋有料化への参加状況
出所:レジ袋有料化検討小委員会(第1回)参考資料
(https://www.env.go.jp/recycle/y0313-01/s4.pdf)

まとめると現状では自治体と民間企業どちらにおいても、その規模や業態、地域性などによってレジ袋削減の取り組みや意識に大きな差があり、今回の有料化規制を以って初めて全国的にベースの足並みが揃うということになります。

次回、第3回ではレジ袋規制の国際的な動向についてご紹介します。

 

※1:レジ袋有料化検討小委員会(第1回)参考資料(https://www.env.go.jp/recycle/y0313-01/s4.pdf)
※2:イオンHP(https://www.aeon.info/sustainability/environment/mybag/)

 

執筆者:小泉 翔(株式会社ATGREEN)
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