【連載】レジ袋有料化と容器包装を巡る外部環境(第3回)~国際的な動向と日本の立ち位置は?~

第1回では日本国内のレジ袋有料化の概要について、第2回では国内の自治体や民間企業のレジ袋削減の取り組み事例をご紹介しました。連載最終回の今回はプラスチックレジ袋や容器包装に対して国際的な動向をご紹介します。

表面化してきた影響

近年の研究(※1)では今後、2050年に向けて石油起源プラスチックの削減対策が全く取られないまま、現状のスピードで利用を拡大し続けた場合、2050年には海洋中にあるプラスチックの重量と海の魚の重量が同等以上になるというショッキングな結果(因みに石油使用量では2割をプラスチックが占め、炭素収支では15%を占める)が報告されています。近年ではメディアでもウミガメが餌のクラゲと間違えてプラスチックの袋を食べてしまった映像や海鳥の体内で大量のプラスチックが蓄積している様子などが取り上げられるようになり、自然環境下で分解されない石油起源プラスチックの流出問題が世界の生態系にも大きく影響を与えていることが広く認知され始めています。

このような状況について海外の動向はどうなのかと視線を向けてみると、残念ながら日本の対応はまだまだ遅れを取っていると言わざるを得ません。以下の表は各国のレジ袋規制の状況を示したものです。日本がようやく今年7月に有料化に踏み切る(それでも依然、コスト増などを理由に有料化に反対するパブコメも多い)なかで、有料化よりも更に厳しい製造禁止まで進めている国も数多くあります。これらの国の方々が今年、旅行やオリンピックで来日された際に日本の日常で溢れかえるプラスチックのレジ袋を見たらどのように思うでしょうか?

表:各国のレジ袋規制

※出所 環境省 中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会(第5回 平成31年2月22日)(https://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-05b.html)

昨年末、スペインで開かれたCOP25(地球温暖化対策の国連の会議)で日本は化石賞を受賞しました。これは地球温暖化問題に取り組む世界120か国の1300を超えるNGOのネットーワークであるCANインターナショナルが、温暖化対策に消極的な国に与える不名誉な賞です。賞自体にも様々な議論があるものの、石炭火力への取り組みなども含めて少なくとも日本は世界から厳しい視線で見られているということを私たちは自覚する必要があります。

しかしながら一方で、容器包装プラスチックについては食品貯蔵寿命を延長させたり、重量を軽減することで輸送燃料を削減させるといった効果で私たちの生活が支えられていたこともまた事実です。これから環境への配慮が必須となっていく時代へ移行するためには技術やライフスタイル、廃棄リサイクルの適切な運用など、社会システムの変革が求められます。それは一朝一夕でできることではありませんが、今回のレジ袋有料化はその第1歩として大きな役割を果たす可能性があります。2020年、オリンピックが日本の環境保全の取り組みを強く後押しする良い機会になることを願ってやみません。

 

※1:THE NEW PLASTICS ECONOMY RETHINKING THE FUTURE OF PLASTICS(ELLEN MACARTHUR FOUNDATION 2016)(https://www.ellenmacarthurfoundation.org/publications/the-new-plastics-economy-rethinking-the-future-of-plastics)

 

執筆者:小泉 翔(株式会社ATGREEN)
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