日本のリサイクル法:小型家電リサイクル法 vol.2 〜廃棄方法と注意点〜

みなさんは個人もしくは会社で使わなくなったパソコンや携帯電話などの処分に困ったことはありませんか?家庭でも事業活動でも使用しているパソコンや携帯電話などは「小型家電」と言われ、適正にリサイクルするための法律「小型家電リサイクル法」に則り処理をしなければいけません。

前回は、法律の概要についてお話ししましたが、今回は、具体的な廃棄方法について解説します!
前回のコラムはこちらよりご覧ください。

小型家電を廃棄する方法

実際に28項目もある小型家電の廃棄方法は、家庭から出る場合と企業などの事業所から出る場合で異なります
それぞれ詳しく見ていきましょう!

家庭から出る場合

家庭から出る小型家電は、市町村や家電などの小売店が回収を行っています
公共施設やスーパー、家電小売店などに専用の回収ボックスが置いてあったり、ごみ回収の区分に「小型家電」を設けてあったりと、自治体によって回収方法等は異なります
詳しくはお住まいの市区町村に確認しましょう!
このマークが小型家電回収の目印です!

事業所から出る場合

企業のオフィスから出る小型家電も、小型家電リサイクル法の対象となります!
小型家電リサイクル法では、事業者の責務について、以下のように書かれています。

第七条 事業者は、その事業活動に伴って生じた使用済小型電子機器等を排出する場合にあっては、当該使用済小型電子機器等を分別して排出し、第十条第三項の認定を受けた者その他使用済小型電子機器等の収集若しくは運搬又は再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すように努めなければならない。

これを噛み砕くと…事業者は小型家電を分別して出し、
小型家電リサイクルの認定事業者
又は②収集運搬及び再資源化を適正に実施する業者
に処理を依頼しましょう!ということです。

①については、小型家電リサイクル法では、回収から処理完了・再資源化までの工程、情報機器のセキュリティ管理を含めた体制など審査を受けて大臣認定を受ける「認定事業者」という制度があります。確実にリサイクルを行う業者の証です。この認定事業者にお願いするのが一つ目の手段になります。

もう一つの②「収集運搬及び再資源化を適正に実施する業者」には、産業廃棄物の許可を有した業者も当てはまります。
廃プラスチック類や金属くずなど、必要な事業範囲の許可を有した事業者になりますが、中間処理後に有用な金属を取り出してリサイクルするフローを確立している処分会社もあります。産業廃棄物として適正な許可を持ち再資源化できる処理会社に委託して処理することも、手段の一つなのです。 

小型家電リサイクル法の注意点 

ここまで、対象製品や廃棄する場合の方法をお話ししてきました。合わせて、以下の2点も抑えていきましょう。

注意その1:家電リサイクル対象品は小型家電リサイクル法対象外!

似たような名前の法律で「家電リサイクル法」があります。
家電リサイクル法では、テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機 の4品目のリサイクルが定められていますが、小型家電リサイクル法の対象外です。
リサイクルのスキームは全く異なりますので、それぞれの法律に基づき、適正に処理する必要があります。

家電リサイクル法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください!

注意その2:無許可業者が回収していることもあるので要注意!

よく街中で「家電など無料回収します!」という看板を見たことがありませんか?また、無料回収をアナウンスしながら街中を巡回しているトラックを見かけたことがある方もいらっしゃると思います。

このような場合、その業者は「無許可業者」である可能性をまず疑ってください。無許可業者で回収されたものは、小型家電の品目を含む使用済みの電気電子機器と金属が混合された状態(いわゆる雑品スクラップ)として保管されたり処分されるケースがあり、置き場の管理等が不十分で火災事故が起きたり、不法投棄された事案もあります。小型家電の中には鉛等の有害物質が使われている場合もあり、事故が起きると環境汚染が広まってしまいますね。
このような事案が多発したことをきっかけに廃掃法の法改正があり、2018年4月より「有害使用済機器保管等届出制度(適正な保管または処分を行う基準を満たして行政に届ける制度)」が施行されました。

何か事故が起きた場合、排出者責任を問われる可能性もあります。適正に処理がなされるのか、しっかり見極めを行いましょう!

まとめ

小型家電リサイクル法は、小型家電を利用するひと全員に関係する法律です。持続可能な循環型社会を作っていくために、自分が使ったものは責任をもって、適正に処理されるよう適正な場所に持って行きましょう!

事業所から出る小型家電は、産業廃棄物として当社でも回収可能です。少量でもご相談承っておりますのでぜひご連絡ください!

 

 

出典:
環境省「1小型家電リサイクル法 ~法律の概要・関係法令~」https://www.env.go.jp/recycle/recycling/raremetals/law.html
環境省「小型家電リサイクル_各種ガイドライン類」https://www.env.go.jp/recycle/recycling/raremetals/index_rel.html
環境省「有害使用済機器保管等届出制度」https://www.env.go.jp/recycle/waste/used/index.html
環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21020301.html
環境省「社会経済及び環境に関する状況」https://www.env.go.jp/council/02policy/y020-88b/mat04.pdf